ノルドストリーム2建設は完了したが、ウクライナは戦闘継続を誓約

ロシアがガスパイプラインの完成を発表したことを受け、ウクライナはノルドストリーム2との戦いを続けると表明した。

クレムリンは、ロシアからドイツに向かうパイプラインは「できるだけ早く」稼働すべきだと述べた。

2018年4月に始まったこの物議を醸すプロジェクトは、長年にわたりウクライナと米国の両国によって反対されてきた。

批評家らは、バルト海の地下1,230キロメートルのパイプラインにより、欧州のモスクワへのエネルギー依存が高まるだろうと主張している。

しかし、ロシアの国営ガス大手ガスプロムは、建設終了はロシアの成功だと称賛した。

CEOのアレクセイ・ミラー氏は次のように述べた。声明同社のテレグラムチャンネルでは、金曜朝に100億ユーロのプロジェクトが「完全に完了」したと発表した。

ガスプロムが所有するこのパイプラインは、複数の欧州企業からも投資を受けている。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、新たなパイプラインはロシアにとって強力な地政学的武器であると述べた。

ポーランドはまた、パイプラインが同国を迂回する一方、ウクライナから年間約10億ユーロの輸送コストを奪っているため、ノルド・ストリーム2に対して反対の声を上げていた。

欧州や米国の批評家らも、このパイプラインはキエフへの裏切りだと主張しており、キエフは2014年にロシアがウクライナのクリミア半島を併合して以来、ロシアと緊張関係にある。

この動きは、ウクライナの元親クレムリン大統領の追放とウクライナ東部での分離主義者の反乱につながった。今年初め、ロシアもウクライナ国境に数万人の軍隊を集結させた。

また、ロシア政府はヨーロッパの主要顧客にガスを供給するためのウクライナのガスインフラについて心配する必要がなくなるため、ノルドストリーム2がロシアの侵略を促進する可能性があるとの懸念もある。

キエフ大統領は声明で、「ウクライナはこのロシアの政治プロジェクトに対して、完成まで、そして完成後、さらにはガス供給開始後も戦うつもりだ」と述べた。

しかし、大統領府報道官は、ウクライナはベルリンとワシントンから、ロシアのガスが「少なくとも10年間」領土内を流れ続けるという「保証」を受けていると付け加えた。

ロシアにとって、パイプラインは決して完成しないだろうと一部の人が信じていた長年の外交的緊張を経て、建設の完了は勝利だ。

外務省報道官のマリア・ザハロワ氏は、このプロジェクトを「世界最大のエネルギー建設の一つ」と称賛し、ガスプロムの話として、最初のガス供給は「今年末までに」行われる可能性があると述べた。

クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は電話会見で、「ドイツができるだけ早くガスの供給開始を許可することに我々全員が関心を持っている」と付け加えた。

今冬の供給不足に直面して欧州のガス価格が記録的な高値にある中、ノルド・ストリーム2はロシアからドイツへのガス供給量を2倍にすることが期待されている。

このパイプラインは年間550億立方メートルのガス容量があり、2012年から運用されているツインのノルド・ストリーム1と同じルートを走っている。

しかし、ガスプロムからの控訴にもかかわらず、ノルドストリーム2はガス輸送に関するEUの新たな規則に直面している。

ドイツのアンゲラ・メルケル首相とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ノルドストリーム2は純粋に商業プロジェクトであると繰り返し主張してきた。

米国政府はパイプライン建設に強く反対してきたが、7月にジョー・バイデン米大統領政権は紛争の終結を目指した。

米国とドイツは、米国がドイツ企業に制裁を課すことなく、ノルド・ストリーム2の完成を許可する合意に達した。

しかし両国は、ノルドストリーム2パイプラインを政治的武器として利用しようとするロシアの試みに対抗することを約束した。

バイデン大統領は代替エネルギーや開発プロジェクトに資金を提供することでウクライナとポーランドを支援することにも同意した。