ライフラインが失われた?中国支援の石油パイプラインを通じて貧困から脱出するニジェールの希望は消えつつある

によるユーロニュースAP

公開日

この記事をシェアする

隣国ベニンと、西アフリカの国で民主主義の回復を目指す反政府勢力との外交的緊張により、パイプラインは停止している。

ニジェールを石油輸出国にする中国支援のパイプラインは、西アフリカの国の民主政府を打倒した昨年のクーデターの結果、国内治安危機と隣国ベナンとの外交紛争によって脅かされている。

全長1,930キロメートルのパイプラインは、ニジェールの中国が建設したアガデム油田からベナンのコトヌー港まで延びている。この計画は昨年末に正式に開始され、4月に中国国営国営石油会社と締結された3億7,300万ユーロの契約を通じて、石油が豊富だが内陸国であるニジェールの石油生産量がほぼ5倍に増加することを支援することを目的としている。ベナンは交通費で利益を得ている。

しかし、先週のパイプライン閉鎖につながったベナンとの外交上の不一致など、いくつかの課題によって計画は行き詰まっている。先週には地元の反政府愛国解放戦線による攻撃もあり、パイプラインの一部が不能になったと主張した。

「厄介な状況」

愛国解放戦線は、昨年7月にクーデターで打倒されたモハメド・バズーム元大統領の釈放を求めて戦っている。

石油施設を標的にすると脅し、パイプラインを運営する中国企業に対し軍事政権への支援をやめるよう求めた。

アナリストらは、クーデターの影響で現在は差し控えられている外部支援で予算の大半を賄っている世界最貧国の一つであるニジェールが、今回の危機でさらに打撃を受ける可能性があると述べている。

アフリカに特化したセキュリティコンサルティング会社シグナル・リスクのディレクター、ライアン・カミングス氏は「完全に混乱した状況で、解決への唯一の方法は両政権が直接関与して問題を解決することだ」と述べた。

大きな懸念の一つは、パイプライン運用の停止がニジェール全体の経済成長にどのような影響を与えるかということだ。世界銀行は、西アフリカの経済が今年回復し、石油輸出が主な後押しとなり、6.9%の成長率でアフリカで最も急速に成長すると予想していた。

ベナンとの外交的緊張も、バズーム大統領がクーデターで失脚した7月に遡り、その結果西アフリカの近隣諸国がニジェールとの国境を閉鎖した。

ベナンは他の隣国とともにニジェールとの国境を再開したが、ニジェール当局者らは国境の開放を拒否し、ニジェールがフランスとの軍事関係を断絶した後、ベナンがフランス軍を受け入れていると非難し、国にとって脅威となっていると非難している。このため、ベナンのパトリス・タロン大統領は、国境再開を条件に同港を通じた石油輸出を行うこととした。

両国は経済的に損失を被っており、ベナンも数百万ドルの交通費を奪われている。関係者らは、一連の軍事乗っ取りの後に起きたクーデター以来、この行き詰まりが地域の緊張を悪化させていると述べている。通常このような問題を仲介する西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)に対してニジェールを対抗させている。

中国の調停は緊張激化で埋もれる

ニジェールが外交転換でロシアに傾き、ベナンがフランスおよび西アフリカ諸国と連携する中、中国は介入して行き詰まりを解決し、プロジェクトへの投資から利益を得ようとしている。

しかし、5月にアガデム油田から初めて石油を採取するという成果をもたらした中国政府の努力も、外交上の争いがさらにエスカレートするにつれて崩れ去った。

ベナンは今週、ベナンの港で国境を越えて逮捕したナイジェリア人の石油労働者5人のうち3人を、「偽造されたコンピューターデータの使用」の罪で有罪とし、投獄した。彼らの逮捕を受けてニジェールは先週、パイプラインを閉鎖し、政府高官はニジェールの石油が「他人に盗まれている」と主張した。

現段階でのニジェール軍事政権にとっての大きな懸念は、クーデター後「公共サービスに支払いを続けるのに必要な財政能力があるかどうか」であり、そのため債務返済やインフラ資金などの財政上の義務の一部を履行できなくなっている。カミングス氏は語った。

同氏は、ニジェール軍事政権は危機が続く中「国の財政状況を扱う上でより慎重になる必要があるのは間違いない」と述べた。

アクセシビリティのショートカットに移動